猫を飼い始める方、もしくはすでに飼っている方でも、「うちのネコちゃんの飼い方ってあっているかな?」と、猫の基礎知識について不安な方もいらっしゃると思います。
この記事では、猫を飼う際の基礎知識をお伝えします。
いま一度、ネコちゃんについて詳しく知っておきましょう!
猫の寿命はどれくらい?
一般社団法人ペットフード協会が発表した『令和3年 全国犬猫飼育実績調査』によると、猫の平均寿命は15.66歳となっています。
人間に換算すると、おおよそ80歳くらいまで生きるようになりました。
また、家の外に出ない猫においては16.22歳と、家の外に出る猫の平均寿命13.75歳よりもはるかに長くなっています。
これには、ペットフードの品質の向上や獣医療の発展、飼い主さんの意識の向上などが関与しています。
猫の年齢を人に置き換えると?
猫の年齢を人に換算すると、生後1年で約18歳、2年で24歳程度となります。
その後は、猫の1年が人の4年分程度になります。
愛猫の年齢を計算して、年に合ったケアをしてあげましょう。
猫の五感
猫の五感は、人と違う点がたくさんあります。視覚
猫の視力は、人間にすると0.04~0.3ほどしかありません。
静止しているものはあまりよく見えず、人なら強度の近視状態です。
ただし、動いているものを認識する能力はとても高く、動体視力は人の10倍ほどあるとも言われています。
視野についても約280度あり、後ろにいる獲物を見つけることも可能です。
また、猫は暗闇においても、目をギラギラと光らせ、明るい場所と変わらずに行動することができます。
それは、網膜にある光の明暗を認識する桿体(かんたい)細胞が発達しているからで、薄暗い場所でも物を確認できる能力が優れているからです。
聴覚
猫は、『地獄耳』といわれるほど聴覚が優れている動物です。
人では聞こえない小動物や虫の鳴き声もよく聞こえています。
人と猫が聞き取ることのできる最大周波数は、人では2万3000ヘルツなのに対して、猫では6万4000ヘルツと言われています。
猫は人の約3倍の音域を聞き取ることが可能なため、人では聞こえない音を察知し敏感に行動しているのですね。
触覚
猫はひげと肉球に触覚のセンサーが集中しています。
ひげを使って狭い場所へ入らずとも幅が分かったり、ひげを軽く触れることで、危ないものかどうか?の確認も行います。
また、肉球はクッションとなり、高い場所からのジャンプでの衝撃を吸収しています。
肉球は汗をかくことができるため、滑り止めの役割もあります。
嗅覚
猫は人の20万~30万倍ほどにおいに敏感と言われています。
猫の鼻鏡は汗と皮脂で湿っているため、空気中に漂うにおい分子を吸着しやすく、また、鼻は横にも少し切れ目が入っているため、においをいろんな角度から取り入れられることができるからです。
優れた嗅覚は、猫同士のコミュニケーションにも役立ちます。
味覚
猫の味蕾(舌にある、味を感じるつぶつぶ)の数は、人の10分の1以下です。
そのため『味オンチ』といわれることもありますが、酸味と苦味には敏感です。
その理由は、酸味と苦味は肉の腐敗を連想させる味のため、危険がないかを感知することが重要だからです。
猫がなりやすい病気とは?
腎臓病や下部尿路疾患という泌尿器の病気になりやすいです。
猫は元来、砂漠に住む動物でしたので、水をあまり摂取しない傾向にあります。
そのため、尿が濃く作られ、腎臓含む泌尿器に負担がかかってしまいます。
定期的な健康診断での早期発見と、日頃からの水を飲ませる工夫が大切となってきます。
猫を飼うための準備について
猫を飼う際に必要なものはいくつかあります。食事と食器、水入れ
食事は年齢にあわせた食事をあげましょう。
子猫には『子猫用』『キトン用』など、シニア猫には『シニア用』『中高齢の猫用』などといった食事です。
また、病気で治療中の子には、療法食が必要となることもあるので、動物病院で確認をしてみましょう。
子猫のうちはふやかしたり、ウェットフードを中心にあげましょう。
歯が生えてからは、ミックスフィーディングといい、ドライフードとウェットフードを混ぜてあげると、選り好みをしない子に育ってくれます。
食事回数は愛猫の様子をみながら1日2,3回に分けて与えましょう。
食器や水入れは安定性があり、清潔を維持できる陶器製のものがおすすめです。
食器、水入れ何を使えばいいの?
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多頭飼いの場合には、別々のものを用意してあげることで、けんかや食べむらがなく食事を楽しむことができます。
トイレ
猫は清潔を好む動物ですので、毎日きれいかどうかの確認をしましょう。
また、体長の1.5倍以上の大きさがあり、猫砂は3cm以上と深く掘れ、鉱物系の細かいものを好みます。
頭数+1個以上用意することで、粗相や泌尿器トラブルが減少する可能性があります。
ペットベッド
猫は一日の大半を寝て過ごす動物なので、安心してくつろげる空間を提供してあげましょう。
また、高くて薄暗い狭い場所も大好きですので、ハンモックや隠れ家、ベッドなどがついているキャットタワーもおすすめです。
ケージ
子猫の場合やお留守番の際には、ケージを使用するシーンもあります。
ケージに慣れておくことで、動物病院への通院が楽になったり、万が一の災害時などでも不安なく過ごすことが可能です。
子猫のうちから慣らすようにしておきましょう。
首輪
首輪は、万が一の脱走に備えて重要です。
名前や電話番号なども記載しておくようにしましょう。
あわせて、マイクロチップも挿入することをおすすめいたします。
爪とぎ
猫は本能的に爪を研ぐ動物です。
置き型、ポール型など様々な形状のもの、段ボール製や布製など素材もいろいろあるため、愛猫の好みに合わせて複数用意してあげましょう。
グルーミング道具
ブラッシングは被毛の流れを整えるだけでなく、コミュニケーションツールとしても重要です。
毎日適度に行うことで、皮膚の健康にも役立ちます。
猫がやるべき予防について
猫がやるべき予防は、混合ワクチン接種とノミダニ予防です。
混合ワクチン接種は、愛猫の風邪や下痢などの感染症を防ぐためのワクチンです。
初回は2,3回、その後は1年に1回行うようになります。
完全室内飼いの場合でも、飼い主さんの服や靴について病原体が侵入する可能性があるので、実施が望まれます。
また、ペットホテルやトリミングサロンを利用する際には、ワクチンの接種が必須となっている場所も多いです。
ノミダニ予防も皮膚トラブルや伝染病の予防のために行うといいでしょう。
1か月に一度、飲ませたり、背中に垂らしたりする薬があります。
去勢や避妊手術は、妊娠を希望されない場合には、行うべきです。
というのも、望まぬ妊娠を避けたり、生殖器の病気の予防ができるからです。
検討している場合には、生後半年齢程度で行うことが多く、主治医の先生に相談をしてみましょう。
猫のしつけはどうすればいい?
猫は犬と違ってしつけをすることが難しい動物です。
というのも、猫は集団で過ごすのではなく、1匹で自由気ままに単独生活をする動物だからです。
そのため、人が猫に合わせる必要があります。
爪とぎをしてほしくない場所はしっかりカバーをし、様々な爪とぎ道具を用意するようにしましょう。
また、噛み癖がある場合には、何かしらにストレスを感じている可能性もあるので(甘噛みは除く)、生活環境をいま一度見直すようにしましょう。
ただ、トイレに関しては本能的に猫砂のある場所で行ってくれるため、トイレトレーニングは必要でないことが多いです。
粗相をする場合には、トイレ環境に不満があったり、泌尿器トラブルがある可能性があります。
シャンプーはした方がいい?
基本的には、猫はシャンプーをしなくていい動物です。
自分できれいにグルーミングを行っているからです。
ただし、長毛種や毛玉がある猫、皮膚病がある猫などでは行うときもあります。
パニックになることもあるので、無理に行うことはやめましょう。
【まとめ】猫を飼う際の基礎知識について
猫を飼う際には、様々なことを知っておく必要があります。
いま一度、猫を飼う際の基礎知識について確認をしておきましょう!
参考資料
- 今泉忠明,猫脳がわかる!,文春新書2019,p48-p57