猫の便に血が混じるのは病気のサイン?血便の原因と対処法 - MOFUCAT

猫の便に血が混じるのは病気のサイン?血便の原因と対処法

愛猫のうんちに血が混じっている…床に血が垂れている… そんなときには、すぐに動物病院に行くべきかどうか、悩んでしまいますよね。 ネコちゃんは、ときどき便に血が混じることがあります。 この記事では、血便の原因や検査法、対処法などをお伝えしています。 「愛猫のうんちに血がついています…」という場合には、あせらず読んでみてくださいね。

猫の血便とは?

血便とは、血液が混じった状態で排せつされる便のことです。 消化管の出血する部位によって、血便の色は異なります。 口や胃、十二指腸などの上部消化管からの出血においては、血液中のヘモグロビンが消化酵素などの作用によって変色し、黒っぽい便が排出されます。 一方で、肛門や肛門に近い大腸における出血では、血液が排出されるまでの時間が短いため、真っ赤な血便を生じます。 そのため、ひとえに『血便』といっても、黒っぽい便をすることもあり、注意が必要です。 血便は1回でおさまることもあれば、数週間からときには数カ月と長引く場合もあります。

猫が血便をする原因とは?

猫が血便をする原因としては、
  • フードの変更やフードがあわない、食物アレルギーなど
  • 細菌やウイルスによる感染症
  • リンパ腫や炎症性腸疾患などの病気
  • ストレス
  • 誤食や中毒
といったさまざまな原因が考えられます。 ひとつずつ分けて説明していきますね。

フードの変更やフードがあわない、食物アレルギーなど

フードを変えたタイミングで血便をした場合には、フードが体にあわなくて血便をしている可能性があります。 まずは、元の食事に戻して経過を見るようしてみましょう。 また、食事に対してアレルギー反応を起こしている可能性もあります。 その場合には、血液検査やエコー検査・レントゲン検査などの画像検査に加えて、除去食試験や食物負荷試験を行います。 除去食試験とは、食物アレルゲンを含まない食事を与えることで、症状の軽減が見られるかどうかの確認を行う試験です。 食物アレルギーである場合には、除去食試験によって、消化器症状(嘔吐や下痢、血便など)や皮膚症状(かゆみや赤みなど)が改善します。 除去食試験により症状の改善が認められた場合には、元の食事に戻して症状が再燃するかを見るようになります。 これを食物負荷試験といい、アレルゲンを含んだ食事を摂った際には、通常2週間以内に症状が再度出るようになり、アレルゲンを特定することができます。

細菌やウイルスによる感染症

細菌や寄生虫、ウイルスなどの微生物の感染によって血便を示すことがあります。 院内の顕微鏡検査やキット検査によって微生物の特定ができる場合もありますが、外注での遺伝子検査によって診断することもあります。 なかでも、子猫に感染することで致死率の高い感染症として『猫パルボウイルス感染症』があります。 ネコちゃんが感染することで、白血球の数が極端に減少し、食欲不振や重度の下痢を引き起こします。 感染力も強く、亡くなってしまうこともある怖い病気ですが、幸いにもワクチン接種により予防が可能です。

リンパ腫や炎症性腸疾患などの病気

リンパ腫や炎症性腸疾患といった病気が消化器に生じ、血便を示すことがあります。 診断をするためには、麻酔下で内視鏡検査を行い、肉眼的に異常を見つけることに加えて、消化器の組織を一部を切除し、病理検査を行う必要があります。

誤食や中毒

ヒモやおもちゃなどを誤食した際に、胃腸に傷がついたり、詰まってしまうことで血便をすることがあります。 また、人の痛み止めや湿布の誤食により、胃腸に強い炎症を起こし、黒い血便を排せつすることもあります。

ストレス

ネコちゃんはストレスによって血便をすることがあります。 さまざまな検査や治療を行っても改善がない場合には、ストレスを疑うようになります。
  • 新しい家族が増えた、減った
  • 新しいペットが増えた、減った
  • 引っ越しや模様替え
  • 工事や雷といった大きな音
  • トイレが汚れている
  • 安心して過ごせる場所がない

などは、ネコちゃんにとってのストレスとなることがあります。 また、季節の変わり目なども、体調を崩して血便をすることがあります。

猫が血便をしているときには、下痢のときが多い

ネコちゃんの便に血が混じっているときは、同時に下痢をしていることが多いです。 また、ゼリーみたいにドロっとした粘液が混じることもあります。 一方で、便が固いために肛門に傷がつき、血の付いた便をすることもあります。

猫が血便のときに行う検査

血便のときには糞便検査が必須となります。 また、脱水の有無やほかの病気が隠れていないかをみるために、血液検査や画像検査などを併用することもあります。 長期的な血便で、かつ原因が不明である場合には、造影検査や麻酔をかけての内視鏡検査を行うこともあります。 また、食事を変更したときの反応で診断する場合もあります。

猫が血便をした時の対処法

元気や食欲があり、便にちょっとだけ赤い血がついているといった場合には、家で様子をみることもあります。 ただし、
  • 元気や食欲がない
  • 嘔吐などほかの症状もある
  • なにか異物を食べてしまった可能性がある
  • 何日も続いたり、繰り返している
  • 子猫やシニア猫の場合
といった場合には、迷わず受診をするようにしましょう。

食事の変更

血便をしていたときには、食事の変更により改善することがあります。 例えば、高繊維の食事に変更することで、便が固くなり、下痢や血便が良化することは多いです。 また、便秘傾向の子の場合には、硬い便が腸を傷つけ、血便となってしまうことがあります。 その際には、可溶性繊維の食事を与えることで、便が柔らかくなり、血便が改善することがあります。 食物アレルギーによる血便の場合には、それに対応した食事を与えることになります。

薬の投与

ひとえに薬と言っても、症状に合わせてさまざまなタイプの薬が処方されます。 ビオフェルミンのような整腸剤を出されることもあれば、抗生物質や消炎剤、粘膜保護剤などを組み合わせて処方されることもあります。 通常は、1週間程度続けることで状態が良化していきます。 そのため、「昨日薬をもらって飲ませたけど、よくなりません…」とおっしゃる飼い主さんもいらっしゃいますが、1,2回程度の投薬でよくなるわけではありませんので、様子を見つつ、処方通りに飲むようにしましょう。 また、状態がよくない場合には、入院にて点滴治療をすることもあります。

動物病院に行く際には便を持って

動物病院に受診する際には、便を持っての受診がおすすめです。 院内では、便を顕微鏡で見ることで、細菌や炎症の状態、消化の状態などをみることができます。 また、外の検査センターに便を提出することで、さらに詳しい検査ができますので、血便を発見した際には、持参するようにしましょう。 なお、当日の便ではなくても問題ないですので、廊下や玄関など涼しい場所に保管して、翌日持っていくようにしましょう。 便を捨ててしまった場合には、院内で肛門に指を入れて採取することもできますので問題ないです。

【まとめ】猫が血便をする原因や検査法、対処法について

猫が血便をする原因としては、食事の変更や感染症、ストレスなどさまざまな原因が考えられます。 診断をするためには糞便検査が必須ですので、便を持って動物病院に行くようにしましょう。 食事の変更や薬の投与で経過を見ていきますが、状態が悪い場合には入院して処置を行うこともあります。 日頃から愛猫の様子をよく観察し、変調があったらすぐに動物病院を受診するようにしましょう!
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