ネコちゃんはストレスを感じやすい動物です。 人がストレスと感じない行動や環境などに、実は不満や不安を抱えている可能性もあります。 ネコちゃんがストレスを感じているときには、ある『サイン』を発している場合が多いです。 この記事では、ネコちゃんが何をストレスとして感じているのか?また、ストレス解消法などをお伝えしています。 「なんだか最近、愛猫の様子がおかしいな…」と感じる場合には、ぜひ読んでみてくださいね。
猫は何をストレスと感じている?
ネコちゃんは単独で自由気ままに生活をする動物です。 高いところにピョンピョン上ったり、ダッシュで走って獲物を捕ったり、狭い空間でグウグウ寝たり…と、自分のペースで好きなように生活をすることを好みます。 ただ、こういった猫本来の行動が、飼い猫の場合満たされないこともあります。 猫が感じるストレスにはさまざまありますが、一例として、- 新しい家族が増えた(減った)
- 新しい同居動物が増えた(減った)
- 引っ越しや模様替え
- 安心できるスペースがない
- 運動不足
- 工事や雷といった騒音
- 飼い主さんとの関係性の変化
- 過干渉
- ふれあいの減少
…といったことがあります。 また、『コロナ禍で飼い主さんが自宅にいる時間が増えた』という、一見ストレスが減りそうな現象をストレスと感じていることもあります。
猫が示すストレスサイン
何も問題なく過ごしているように見えるネコちゃんでも、実際はストレスをためていることもあります。 ストレスを抱えているときには、以下のようなサインを示していることが多いです。
食欲や元気の低下
ごはんを残すようになった、よく遊んでいた子が遊ばなくなった場合には、何かストレスがあるかもしれません。 また、ストレスを抱えている結果として病気になり、食欲不振・元気消失となることもあります。 ネコちゃんは食事をとらないことで、肝臓に負担がかかってしまう動物のため、食欲の低下は早期に改善しなくてはなりません。 おやつなど好きなものも食べないようであれば、なるべく早めに動物病院へうかがうようにしましょう。
トイレ以外で排せつをする
ネコちゃんは、本能的に猫砂の上で排せつをする動物です。 そのため、「ベッドやカーペットの上でおしっこをしている!」「こんなところにうんちが落ちている!」というときは、不安やストレスがあることも。 また、トイレが汚い、気に食わないといった衛生面・環境面が原因のときもあります。 ただし、排せつの失敗は、泌尿器トラブルや消化器疾患を抱えていることも多いです。 ネコちゃんがストレスを感じている原因が見当たらない場合、もしくは改善ができない場合には、動物病院を受診するようにしましょう。
過剰なグルーミング
猫は起きている時間の25%程度をグルーミングに費やす動物と言われています。 そのため、「なんだかいつも毛づくろいをしているな…」と感じるかもしれませんが、その時間が増えてきているようであれば、ストレスを感じている可能性もあります。 ストレスによる過剰な毛づくろいにより、脱毛や皮膚炎、ときには出血が見られることもあります。 ただし、皮膚病(ダニやノミがいる、細菌・真菌感染など)があり、必要以上に毛づくろいをしていることもあります。
不適切なつめとぎ
爪とぎはネコちゃんにとって正常行動であり、- 外側の爪を取り除く
- 柔軟性を保つストレッチ
- 縄張りを主張するためのマーキング行動
などの意味があります。 そのため、決められた場所でバリバリ爪とぎをしている場合は問題ないですが、今まで爪とぎをしていた場所以外でするようになったときには、ストレスを抱えている可能性もあります。
過剰に鳴く
ネコちゃんが何かを訴えるかのように過剰に鳴くときもストレスを抱えている可能性があります。 鳴くことでコミュニケーションを取ったり、飼い主さんに意思表示をしている場合もありますが、度を過ぎるときには注意が必要です。 また、飼い主さんが外出準備をしたり、不在時に鳴き続ける場合には、分離不安である可能性もあります。 ただし、どこかが痛い、おしっこが出ないなど病的な原因で鳴いていることもあります。 高齢のネコちゃんにおいては、甲状腺機能亢進症や高齢性認知機能障害の疑いもあります。ウールサッキング
『織物吸い行動』ともいい、布類やビニールなどを吸うことで、嚙みちぎってしまう行動のことです。 子猫では正常の反応でもありますが、成猫で過剰な場合には、ストレスを抱えている可能性があります。 また、誤食をして、手術で摘出しなければいけないケースもあり、注意が必要です。
猫のストレス解消方法
ストレス行動が見られた場合には、以下でお伝えする対処法によって改善する場合があります。 状況によっては、サプリメントや薬などを用いて治療することもありますので、改善がない場合には、主治医の先生にご相談くださいませ。たくさん遊んであげる
猫じゃらし等おもちゃを用いて、たくさん遊んであげるようにしましょう。 猫は狩りを模した遊びが大好きです。 メリハリをつけて猫じゃらしを振ったり、物陰に隠してさっと動かしたり…ネズミや昆虫などの小動物を連想させるような動きをすることで、猫本来の行動を促すことができ、ストレス解消につながります。 時間が取れなかったり、留守がちであまり遊ばせられない場合には、自動で動くおもちゃを用いてもいいですね。心地よい空間を作る
きれいな水、おいしい食事、清潔なトイレ…など、ネコちゃんにとって心地よい空間を作ってあげましょう。 また、ネコちゃんは高い空間や狭い場所が大好きです。 そのため、キャットタワーやキャットウォークを設置したり、ネコちぐらや段ボールのような隠れられるスポットを用意してあげるといいですね。爪とぎ場所を複数用意
ネコちゃんは本能的に爪とぎをする動物です。 爪とぎには、段ボール製・布製などさまざまな素材や、置き型タイプ・壁掛けタイプなどいろいろな形状のものがあります。 愛猫の好みに合わせて、複数個用意してあげましょう。適度なスキンシップ
なでたり、抱っこしてあげたり、話しかけたり… ネコちゃんと適度にスキンシップを取ってあげることも大切です。 ただし、ネコちゃんからスリスリと寄ってきたときに行うといいでしょう。 嫌がる子を無理やり押さえて行うと、かえってストレスとなってしまいます。