猫を飼っている方、飼おうと考えている方は多くいらっしゃると思いますが、「猫ってどんな動物なのか?」と聞かれると、「よく分からないなぁ…」ということはあるかと思います。 この記事では、意外と知らない猫の生態についてお伝えしています。 猫について知り、「愛猫をもっと大切にしたい!」という飼い主さんは、ぜひ読んでみてくださいね。
猫の祖先は砂漠に住む動物
猫の祖先は砂漠にすむ動物『リビアヤマネコ』と言われています。 そのため、水をあまり飲まず、おしっこが濃く少量、便も硬いという特性があります。 現代に生きる猫もその特性を受け継いでいるために、腎臓や胃腸に負担がかかり、腎臓病や便秘になってしまう子が多くいます。 病気の予防のためには、水飲んでもらうことが大切で、ウェットフードにしたり、様々な水飲み器を配置するなど工夫をする必要があります。猫は高いところ、狭いところが大好き!
猫は高くて薄暗い場所である樹洞(じゅどう;樹木にできた洞窟状の空間)や岩穴のような場所に身を隠して生活していました。 そのような場所に身をひそめることで、外敵から身を守っていたのです。 そのため、家にはキャットタワーやキャットウォークなどの高くて安心できる場所を用意してあげるようにしましょう。睡眠時間がとても長い
猫は『寝子(ねこ)』とも言われるように、一日の大半を睡眠に費やす動物です。 睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠がありますが、猫においては浅い眠りであるレム睡眠が多いと言われています(レム睡眠の割合;人で約20%、猫で約75%)。 外敵から身を守り、いつでも動けるようにと、レム睡眠の割合が多いのだと思われます。
猫の寿命は延びている!
一般社団法人ペットフード協会が発表した『令和2年 全国犬猫飼育実績調査』によると、猫の平均寿命は15.45歳となっています。 人間に換算すると、おおよそ80歳くらいまで生きるようになったのですね。 この背景としては、ペットフードの品質が向上したこと、飼い主さんの意識が向上したこと、獣医療の発展などがあります。 完全室内飼いの猫が増えたことも理由のひとつとなります。猫の性格は自由奔放
猫は犬と違って、人にこびず、自由奔放に過ごすことが多い動物です。 犬は集団で生活をする動物で、猫は単独で生活をする動物だからだと思われます。 おなかがすいたとき、甘えたいときだけすり寄ってくるような性格の子も、また猫には多いです。猫は夜行性!?
猫は夜行性と思われがちですが、薄明薄暮性(はくめはくぼせい)といって早朝や夕暮れ時など薄暗い時間帯に活動する動物です。 早朝にニャーニャーとエサをおねだりするのもそのため。 飼い主さんが寝不足になるときには、自動給餌器の導入もおすすめいたします。 完全室内飼いの猫の場合には、飼い主さんの生活リズムにあわせて活動する子も多いです。
猫はきれい好き
人は毎日、ワンちゃんは月に1回程度お風呂に入りますが、猫は基本的には入りません。 それなのに、無臭できれいな毛づやを保っています。 というのも、猫の舌にはトゲトゲがあり、これをくしのように使用して体全体をブラッシングしているからです。 猫は起きている時間の25%程度をグルーミングに費やしているとも言われており、かなりのきれい好きさんです。 これは、外敵に自分のにおいを気づかれないようにするためです。 ただし、長毛種や皮膚病のある子などにおいては、お風呂に入れてあげる必要があります。遊びが大好き!ハンターの一面も
猫と遊んだことがある方はお分かりだと思いますが、ひとたびスイッチが入ると、まるでハンターのように行動をします。 飼い主さんが猫じゃらしで遊んであげると、おしりフリフリ、かげからピョーンと飛び出したり…と、寝てくつろぐ姿からは想像もできない動きをしますよね。 外で過ごす子は、ネズミや昆虫、トカゲなどを捕って食べています。 中には、『おみやげ』として家に持って帰ってくる子も… 床に転がる『おみやげ』の姿に、ぎょっとした飼い主さんも多いと思われます。猫は妊娠ほぼ100%
猫は交尾により排卵する動物であり、一度交尾するとほぼ100%妊娠する動物です。 一回の出産で4~8頭程度の子猫を生みます。 猫の妊娠期間は平均63日であり、春ごろから夏にかけて年に2,3回発情することで、暖かくて過ごしやすい時期に出産と子育てができるようになっています。猫はパニックになりやすい!?
大きな音などにびっくりしてピョーンと走って逃げる…おしっこをもらしちゃう…なんていう猫をみたことがあるかもしれません。 猫は慎重で警戒心が強いために、些細なことに驚きがちです。 特に、もともと怖がりで隠れがちな猫、経験の少ない若い猫、刺激に慣れていない完全室内飼いの猫がパニックになりやすいと言われています。猫のいろいろな鳴き方
猫の鳴き声は約20種類あると言われています。 そのうちの6種類程度を人は聞き取ることができます。 猫が鳴くのは大きく分けて、- 甘える、要求する、嬉しいとき:ニャーン
- 獲物を狙うとき:カカカッ、クククッ
- 威嚇するとき:シャー、フー
- 発情期:ニャーオ、ニャオン
があります。 外猫は外敵から身を隠すためにあまり鳴きませんが、飼い猫は飼い主さんに要求を伝えるために、いろいろな鳴き声を使い分けています。
猫にも感情がある
猫にも喜怒哀(猫の場合は、『愛』)楽があります。 猫はこれらの感情を表情のみならず、しっぽや体勢など全身で表現しています。- 喜:耳はピンと立ち、瞳を大きくし、ひげはピンとなり、輝くような生き生きとした表情
- 怒:耳はイカ耳、ひげは大きく上がり、全身の被毛が逆立つ、シャーと威嚇することも
- 愛:目や口は半開きとなり、全身は脱力してくねくねとなる
- 楽:ひげは前方へ、瞳は黒目がちに、耳も小刻みに動きます
猫の五感
猫の五感には、人と違うところが多くあります。視覚
猫の視力は、人にすると0.04~0.3ほどしかありません。 目の前にエサを一粒差し出しても無反応…というのは見たことがあるかもしれません。 静止しているものはほとんど見えていないのですね。 ただし、動いているものを見る能力『動体視力』はとてもよく、人の10倍ほどもあると言われています。聴覚
猫では人の約3倍程度の音域を聞き取ることが可能なため、人では聞こえない音を察知することができます。 人では聞こえない小動物や虫の鳴き声が聞こえています。触覚
猫はひげと肉球に触覚のセンサーが集中しています。 ひげや肉球を軽く触れることで、『危ないものなのかどうか?』の認識をします。 また、肉球はクッションの役目もしており、高いところからのジャンプの衝撃を吸収しています。嗅覚
猫は人の20~30万倍ほどにおいに敏感と言われています。 優れた嗅覚は、猫同士のコミュニケーションツールともなります。味覚
猫の味蕾の数は人の10分の1以下と言われています。 そのため味音痴の一面もありますが、酸味と苦味には敏感です。
【まとめ】猫はおもしろい!猫の性格や特性、五感などをお伝え!
いつも一緒に過ごす愛猫であっても、知らないことは意外と多いかと思われます。 今一度、愛猫の動きや表情、しぐさなどを読み取ってみましょう! 参考資料- 今泉忠明,猫脳がわかる!,文春新書,2019